~社会を支えるインフラ~
ストラクチャー、インストラクト、オブストラクト
最近、日本経済の大きな課題として「インフラの整備」が盛んに喧伝されていますね。従来、インフラといえば、道路、港湾、電力など日常生活の基盤となる施設を指していましたが、最近では、医療や福祉などの社会システムを含む広い概念となっています。いうまでもなく、インフラはインフラストラクチャーの略で、インフラは「下の」の意、structure(ストラクチャー)は「構造・建物」です。そして、このストラクト(struct)が「建てる・築く」の意の語源であることが今回のポイントなのです。
ではいってみましよう。まず「中に」の意のinをつけるとinstructで「心の中に築く」から「教える」となります。インストラクター(instructor・教師)はお馴染みですね。インストラクション(instruction)は「指導、指図」となります。
次に「共に」の意のconが付くとコンストラクト(construct)で「組み立てる、構成する」となります。コンストラクター(constructor)は「建設者、製造会社」なのです。あまり馴染みのない言葉のようですが、ゼネコンをご存じの向きも少なくないでしょう。総合建設業者の意で、ゼネラル・コンストラクターに由来する言葉なのです。カーレースのファンであればF1レースなどにはドライバーズポイントの他にコンストラクターズ・ポイントがあることはご存じでしよう。
さらにまた、「邪魔をして」の意のob、「反対」の意のdeが付くと、それぞれオブストラクト(obstruct・妨害する)、デストラクション(destruction・破壊)となります。野球ファンならオブストラクトの名詞形であるオブストラクション(obstruction・妨害、走塁妨害)をご案内でしよう。
オッと、大切な言葉を忘れました。リストラ(リストラクチャー)です。説明は不要でしよう。
●今回の重要単語のまとめ
・infrastructure(インフラストラクチャー・・下部構造、土台 ・structure(ストラクチャー)・・構造・建物 ・instruct(インストラクト)・・教える ・instructor(インストラクター)・・教師 ・instruction(インストラクション)・・指導、指図 ・obstruct(オブストラクト)・・妨害する ・obstruction(オブストラクション)・・妨害、走塁妨害 ・destruction(デストラクション)・・破壊 ・restructure(リストラクチャ)・・再編成