~世界揺るがすサプライチェーンの分断~
サプライ、コンプライ、コンプリメント
前回はパラダイムの転換を持ち出しましたが、目下、世界経済の最大の問題の一つは何かといえば、サプライチェーン(供給網)の分断でしよう。もとより、この説明やら分析はこのコラムの役割ではありません。狙いはズバリと言えばサプライ(supply)なのです。言うまでもなく、意味は「供給する・支給する」です。サプライヤー(supplier・供給者)はかなり一般的に使われていますが、マネーサプライ(日銀による資金供給)、サプライサイドエコノミックス(需要より供給を重視する経済学)となるとかなり専門的ですね。意外にも、補助食品のサプリメント(supplement)もこの派生語で、意味は「補足、補給物」なのです。
しかし、ここでの注目点は、サプライが「満たす」の意の語源であるplyに「下に」のeが付いた言葉であることです。「一杯に満たす」が原意なのです。「共に」の意であるcomが付くと、コンプライ(comply・承諾する、従う)となります。「相手の要求を満たす」が原意でしょう。この名詞形のコンプライアンス(応諾・従順)は近年、「法令の遵守」の意味でよく耳にする言葉です。
さらにコンプリメント(complement)となれば、「補充、補語」となります。補語は英文法の基本ですから大方は聞き覚えがあるでしよう。
●重要単語のまとめ
・supply(サプライ)・・供給する・支給する ・supplier(サプライヤー)・・供給者 ・supplement(サプリメント)・・補足、補給物 ・comply(コンプライ)・・承諾する。従う) ・complement(コンプリメント)・・補充、補語