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第56回 カタカナ語とスポーツ(20)

コラム

意味不明なスポーツ用語(1)
~トライ、ハットトリック、ラブゲームなど~

 先に、テニスに関連してサービスの成り立ちに触れましたが、歴史の古いスポーツには、現在では意味がよく理解できない用語が少なくありません。ズバリ言って、ハットトリック(サッカー)、トライ(ラグビー)、ラブゲーム(テニス)、サービス(テニス)、バレー(バレーボール)、グランドスラム(野球、テニス、ゴルフ)、ボギー(ゴルフ)などはその代表的なものでしよう。数が多いので箇条書きでいきましよう。

・トライ(try)
まずは、ラグビーのトライからいってみましよう。トライ(try)は言うまでもなく「試みる」ですが、一体何を試みるのか分かりますか。そうです。「ゴールキック」を試みるのです。昔はトライには得点がなく、得点はゴールキックのみだったのです。ゴールキックが成功するとコンバートとなりますね。コンバート(convert)は「変える」ですが、何を変えるのでしょうか。今度は得点が変わるのです。ちなみに、トライの名詞形はトライアル(trial)で、「試み・試技」となります。

・ハットトリック(hat trick)
 ハットトリックは、サッカーで一人の選手が3ゴールを挙げた場合に使われる言葉で、帽子とトリックでは意味が解りません。実は英国で盛んなクリケットに由来するもので投手が三人連続して三振を取ると相手が帽子を差し出して敬意を評したことによるもので す。まさしく「脱帽の技」と言えますね。

・ラブゲーム(love game)
 これは諸説かあって難しい。
 フランス語の卵が0に似ているためとの説が有力視されていますが、いまだにはっきりしません。

(この項つづく)