2022年10月20日発売  『ファッションから学べるらくらく英単語読本』『エンタメから学べるらくらく英単語読本』

第51回 カタカナ語とスポーツ(15)

コラム

~ ユニークなルールの紹介~
アドバーンテージ、アドヴァンス、バンテージ

 スポーツのルールは、競技種目によって異なりますが、チョット異色なルールとしてサッカーやラグビーのアドバンテージ・ルールがあります。これは、反則があった場合でも、反則された側が有利にゲームを進めているとレフリーが判断した場合には、ゲームを中断せずプレーを継続させることです。
 従って、アドバンテージ(advantage)が「有利な立場・優位」であることは当然ですね。テニスではデュースで先に得点した場合はアドバーンテージとなることはよく知られていますね。この動詞であるアドバンス(advance)は「進む、進歩する、前進・進歩」です。授業などでアドバンスコースとなれば、上級コースなのです。
 もう一ついってみましよう。テニスなどで定められているインジャリータイムです。これは負傷の手当のためにルールで認められた時間で、テニスの場合最大で三分間となっています。
 ちなみに、テニスでは、コートチェンジの休憩は90秒間、各セットが終わった後の休憩時は120秒間など細かくルールが定められています。さて、インジャリー(injury)は「負傷・損害」で、インジュアーは「傷つける・害する」です。juryは「正しい、法」の意の語源で、inは否定です。正しくないことをする→害する、傷つけるとう理屈でしょう。従って、否定のないジュリー(jury)は法を執行する「陪審・陪審員」で、ジュリストは「法律専門家・法律学者(学生)」です。法律学専門の月刊誌「ジュリスト」を読んでいる人は少なくないでしよう。さらに言えば、負傷などで失われた時間を補う追加時間、アディッショナルタイムはサッカーでお馴染みですね。アディツション(addition)は「追加」で、アドは「追加する」です。何分にも、なじみの薄い言葉のように思えますが、実はそうでもありません。金利のアドオン方式として用いられています。以前は消費者金融の金利表示で使われることもありましたが、現在ではクレジットカードの分割払いで使われています。

●今回の重要英単語(まとめ)

・advantage (アドァンティッヂ)・・有利な立場・優位、利点
・advance(アドァンス)・・進む・進歩する、・・前進・進歩
・vantage(ァンティッヂ)・・有利な地位・位置
・injury(ンヂュリ)・・負傷、損害・害
・injure(ンヂャ)・・傷つける、害する
・jury(ューリ)・・陪審、陪審員
・jurist (ューリスト)・・法律専門家、法律学者・学生      ※additional (アディッションナル)・・追加の
・addition(アディッション)・・追加、足し算
※add(アド)・・加える