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第55回 カタカナ語とスポーツ(19)

コラム

 前回フィールドが出ましたので、今回は観客席、スタンドにいってみましよう。言うまでもなく、スタンドは「台、立つ」の意ですが、観客席になっているのは理由があります。古代ギリシャにおいては、観客は立って観戦していたからなのです。
 さて、スタンドは「~台・~立て、売店・屋台、(通例~s) 観覧席・スタンド」など幅広くつかわれていますが、動詞は「立つ、耐える」の意です。確かに、酒場のスタンド立ち飲みですね。
 これがスタンダードとなれば「標準・基準」となります。音楽のスタンダードナンバーは、大方はご案内でしよう。とにかくしっかりと立っているものなのです。さらにスタンスとなれば「足の位置・姿勢」となります。これに「周りの」の意のcircuが付くとサーカムスタンス(circumstance・環境)となります。環境は周りに立っているものなのです。「離れて」の意のdisが付くとディスタンス(distance・距離)となります。これは分かり易いですね。さらに、「近く」の意のinが付くとインスタンス(instance・実例)となります。すぐ近くにあるものの意です。
 これらの形容詞形では、ディスタント(distant・遠い)、インスタント(instant・即座の)は非常に重要と言えましよう。まあ、インスタントコーヒーを知らない人はいないでしよう。スキーなどで、ディスタント競技と言えば距離種目です。この辺までくれば、敢えてスタンドを取り上げた理由がお分かりでしよう。

     ●今回の重要単語(まとめ)
・stand(スタァンド)・・~台、~立て、売店・屋台、
                       (通例~s)観覧席・スタンド
                   ・・立つ、耐える
・standard(スタァンダド)・・標準、(度量衡の) 基本単位       
・stance(スタァンス)・・ 足の位置、姿勢
・circumstance(サ~カムスタァンス)・・環境・境遇
・distance(ディスタンス)・・距離      
・distant(ディスタント)・・遠い・離れた
・instance(インスタンス)・・実例
・instant(インスタント)・・すぐの、即座の