~マイノリティは少数派~
ミニ、マイニュート、ミニスター
近頃、差別や格差の問題が何かと話題になっています。前回のジェンダーはその最大のものと言えますが、多くの場合、差別によって被害を受けているのはマイノリティ(minority・少数派)といえるでしよう。
この語源であるミニは言うまでもなく、「小さい」の意です。ミニスカートの「ミニ」は大変わかりやすい用例ですね。ミニシアター、ミニコミなども耳にするところです。マイナー(minor)はこの比較級で、「小さい方の・重要でない・二流の」となります。マイナーチェンジは分かりやすい用例でしよう。とすれば、マイニュート(minute・非常に小さい、詳しい)、ミニマム(minimum・最小の)、ミニット(minute・分)、ミニマル(minimal・最小の)、マイナス(minus・少ない、負数)などは説明の必要もないでしよう。さらに、ディミニッシュ(diminish)となれば「ちいさくする、減ずる」となります。また、「~する人」の意のsterが付くとミニスター(minister)で、原義は「小さき人」ですが、これが「召使」、さらに「国王に使える人」から「公僕」をへて「大臣・公使」となります。この動詞であるアドミニスター(administer)は「収める、管理する」となるのです。アドミニストレーション(administration)は言うまでもなく「管理・行政」です。
マイナーの反対もついでにやっておきしよう。メジャー(major・より大きい)ですね。米大リーグ球団は分かりやすい用例ですが、石油、穀物、映画などにもあります。この名詞であるマジョリティ(majority・多数派)はかなり日常的に使われている言葉です。さらに言えば、この原義であるmajは「より大きい」で、マジェスティ(majesty)は「威厳、陛下」、メイヨー(mayor)は「市長」となるのです。余談ともなりますが、音楽でマイナーと言えば「短調」、メジャーと言えば「長調」ですね。さらに、余談を重ねれば、軍隊の位でメージャーといえば「陸軍少佐」です。戦争映画などによく出てくる言葉で、聞き覚えのある人も少なくないでしよう。
●今回の重要単語のまとめ⤵
・minority(マイノリティ)・・少数派 ・minor(マイナー)・・小さい方の、重要でない、二流の ・minute(マイニュート)・・非常に小さい、詳しい ・minimum(ミニマム)・・最小 ・minimal(ミニマル)・・最小の ・minute(ミニット)・・分 ・minus(マイナス)・・少ない、負数の ・minister(ミニスター)・・大臣・公使 ・administer(アドミニスター)・・収める、管理する ・major(メジャー)・・より大きい・陸軍少佐 ・majority(マジョリティ)・・多数派 ・majesty(マジェスティ)・・威厳、陛下 ・mayor(メイヨー)・・市長