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第24回 カタカナ語と世相アレコレ(21)

コラム

~マイノリティは少数派~
ミニ、マイニュート、ミニスター

 近頃、差別や格差の問題が何かと話題になっています。前回のジェンダーはその最大のものと言えますが、多くの場合、差別によって被害を受けているのはマイノリティ(minority・少数派)といえるでしよう。
 この語源であるミニは言うまでもなく、「小さい」の意です。ミニスカートの「ミニ」は大変わかりやすい用例ですね。ミニシアター、ミニコミなども耳にするところです。マイナー(minor)はこの比較級で、「小さい方の・重要でない・二流の」となります。マイナーチェンジは分かりやすい用例でしよう。とすれば、マイニュート(minute・非常に小さい、詳しい)、ミニマム(minimum・最小の)、ミニット(minute・分)、ミニマル(minimal・最小の)、マイナス(minus・少ない、負数)などは説明の必要もないでしよう。さらに、ディミニッシュ(diminish)となれば「ちいさくする、減ずる」となります。また、「~する人」の意のsterが付くとミニスター(minister)で、原義は「小さき人」ですが、これが「召使」、さらに「国王に使える人」から「公僕」をへて「大臣・公使」となります。この動詞であるアドミニスター(administer)は「収める、管理する」となるのです。アドミニストレーション(administration)は言うまでもなく「管理・行政」です。
 マイナーの反対もついでにやっておきしよう。メジャー(major・より大きい)ですね。米大リーグ球団は分かりやすい用例ですが、石油、穀物、映画などにもあります。この名詞であるマジョリティ(majority・多数派)はかなり日常的に使われている言葉です。さらに言えば、この原義であるmajは「より大きい」で、マジェスティ(majesty)は「威厳、陛下」、メイヨー(mayor)は「市長」となるのです。余談ともなりますが、音楽でマイナーと言えば「短調」、メジャーと言えば「長調」ですね。さらに、余談を重ねれば、軍隊の位でメージャーといえば「陸軍少佐」です。戦争映画などによく出てくる言葉で、聞き覚えのある人も少なくないでしよう。

●今回の重要単語のまとめ⤵

・minority(マイノリティ)・・少数派
・minor(マイナー)・・小さい方の、重要でない、二流の
・minute(マイニュート)・・非常に小さい、詳しい
・minimum(ミニマム)・・最小
・minimal(ミニマル)・・最小の
・minute(ミニット)・・分
・minus(マイナス)・・少ない、負数の
・minister(ミニスター)・・大臣・公使
・administer(アドミニスター)・・収める、管理する
・major(メジャー)・・より大きい・陸軍少佐
・majority(マジョリティ)・・多数派
・majesty(マジェスティ)・・威厳、陛下
・mayor(メイヨー)・・市長