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第3回 面白くてタメになる日本の球団名アレコレ

コラム

 前回、前々回は米国のプロ野球の球団名をご紹介し、ご好評を得ましたので、今回は日本のプロ野球です。まずは日本一の人気を持つ「読売ジャイアンツ」からでしょう。意味はいうまでもなく「巨人(giant)」ですからお話になりませんね。そこで命名の経緯を少しくご紹介しましよう。この草分けである大日本東京野球倶楽部が1935年に本格的な野球チームとして誕生した際、まずやったのが米国へ遠征です。この時、米国側よりニックネームを聞かれて困ってしまいました。すると米国側、詳しく言えば、後に日本のプロ野球の発展に大きく貢献したフランク・オドール氏(日本の野球殿堂博物館入り)が「日本ではジャイアンツとヤンキースはどちらが人気があるの」と聞きました。ジャイアンツと日本側が答えると、それなら「東京ジャイアンツ」がいいと一決したのです。

次は当然「阪神タイガース」ですが、これまた「虎(tiger)」ですから、英語としてはどうもいただけません。「百獣の王」からの命名の様に思われますが、調べてみるともう少し仔細があります。

今はありませんが、当時、米大リーグの人気チームには「デトロイト・タイガース」がありました。デトロイトは当時、米を代表する一大工業地帯で、阪神工業地帯とイメージが似ているところからの命名となったとのことです。

次は、今はありませんが「阪急ブレーブス」です。ブレーブは「勇者」ですからやや英単語のにおいがしますね。ブレーバリーは「勇気」となります。

以上の古参球団に準じるのは「中日ドラゴンズ」でしよう。ドラゴンは「竜」ですから「金の鯱」とは異なり、いささか意味不明ですが、調べてみると、初代オーナーの干支にちなんだものでした。

 以上ご紹介した球団は大方「強い」というイメージを持つものですが、比較的優しい動物の名前がついている球団もありますね。そう、広島カープヤクルトスワローズです。前者は広島城には鯉が多く生息し「鯉城」と呼ばれていること、後者は最初の球団オーナーが国鉄で、「特急ツバメ」が最もはやかつたこと、にちなんだものなのです。球団はまだほかにもありますが、長くなりますので、最後に全くよくわからないとうものを上げて終わりにしましよう。福岡ソフトバンクホークスです。「ホーク」は鷹で「強い」イメージはありますが、調べてみると、最初の球団オーナーであった南海電鉄の「車輪の翼」にちなんでいるのです。

最後は、オリックス・バッファローズ(野牛)です。何か西部劇のような感じもしますが、かっての監督であった千葉氏のあだ名が「猛牛」だったことにちなむものです。
(以上、小林一夫著「野球ファンのための面白くてタメになる英単語読本」(文芸社)参照より転載)

●今回の重要英単語(まとめ)

・ジャイアンツ (giant)」・・・巨人
・タイガース(tiger)」・・・虎
・ブレーブス(braves)・・・勇士
・ブレーバリー(bravery)・・・勇気
・ドラゴン(dragon)・・・竜
・カープ(carp)・・・鯉
・スワローズ(swallows)・・ツバメ
・ホーク(hawk)・・・鷹
・バッファロー(buffalo)・・・野牛