第一回の米球団名がご好評をいただきましたので、残りの球団についても、英単語とウンチクの観点から興味深いものをご紹介しましよう。
・(ヒューストン)アストロズ
アメリカンリーグ西地区の球団で、屋根付きの本拠球場、アストロドームにちなむ命名です。アストロは「天体,星、宇宙」などの意を表す連結形で、アストロノミー(astronomy)は「天文学」、アストロノマー(astronomer)は「天文学者」、アストラノート(astronaut)は「宇宙飛行士」、アストロドーム(astrodome)は「天体観測室」となります。さらに、最後のアストロドームに着目すると、ドーム(dome)は元来、「屋根」、さらには「家」の意味を持っています。そして、ここから、ドメスティック(domestic・家庭の、国内の)、ドメイン(domain・領土、領域)、ドミネート(dominate・支配する)などの重要単語が出てくるのです。DV(ドスチック・バイオレンス)は大方がご案内でしよう。
(ヒューストン)カージナルス
ナショナルリーグ中地区の球団で、ユニフォームを深紅で飾り付けたのを見た女性ファンがカージナルスみたいと叫んでことによるものと言われています。この場合のカージナルス(cardinal)は「紅冠鳥・枢機卿(深紅色の法衣を身に着ける)」の意味ですが、一般的には「深紅色、深紅の、基本的な」の意味を持っています。
・(カンザスシティ)ロイヤルズ
アメリカンリーグ中地区の球団で、カンザスシティを象徴する色がロイヤルブルー(フジ紫色)であることにちなんだ名前です。ロイヤル(royal)は「王の、国立の」の意味で、ロイヤリティ(royalty)となと「特許権使用料。印税・王権、王位」です。まあ、一般的には、ロイヤルゼリー、さらにはトランプのロイヤルフラッシュなどとして使われていますね。
・(ニューヨーク)ヤンキース
アメリカンリーグ東地区の球団で、ヤンキー(Yankee)は「米国人」ですが、米国内では北部の人間、特にニューイングランド人を指しています。
・(ミルウォーキー)ブリューワーズ
ミルウォーキーが世界的なビールの産地で、オーナーがブリューワー(brewer・醸造業者)なのです。ブリュー(brew)はもちろん「醸造する」です。
・(サンディエゴ)パドレス
パドレス(padres)は「牧師、従軍牧師」です。本拠地のサンディエゴには海軍の基地があることにちなんだ命名です。
・(アトランタ)ブレーブス
かって日本にもありましたが、ブレーブス(braves)は「勇者」です。まあ、それらしい名前です。いうまでもなくブレーブ(brave)は「勇敢な」です。
●今回の重要英単語(まとめ)
アストロノミー(astronomy)・・・天文学 アストロノマー(astronomer)・・・天文学者 アストラノート(astronaut)・・・宇宙飛行士 アストロドーム(astrodome)・・・天体観測室 ドーム(dome)・・・丸屋根、原義は 屋根、家 ドメスティック(domestic)・・・家庭の、国内の ドメイン(domain)・・・領土、領域 ドミネート(dominate)・・・支配する カージナルス(cardinal)・・・紅冠鳥・枢機卿、深紅色、深紅の、基本的な ロイヤル(royal)・・・王の、国立の ロイヤリティ(royalty)・・・特許権使用料、印税・王権、王位 ヤンキー(Yankee)・・・米国人、米北部の人間、特にニューイングランド人 ブリューワー(brewer)・・・醸造業者 ブリュー(brew)・・・醸造する パドレス(padres)・・・牧師、従軍牧師 ブレーブス(braves)・・・勇者 ブレーブ(brave)・・・勇敢な