2022年10月20日発売  『ファッションから学べるらくらく英単語読本』『エンタメから学べるらくらく英単語読本』

第6回 カタカナ語と世相アレコレ(3)

コラム

~ソーシャル・ディスタンスなど~
ディスタンス、インスタンス、サーカムスタンス

  前回は世紀的な災厄とされるコロナ(正しくはコロナビールス)を取り上げたものの、英単語としてはイマイチでした。発想を変えて、今回はコロナ禍で一躍カタカナ語化しつつある言葉を取り上げてみましよう。ズバリと言って、まずはソーシャル・ディスタンスです。
 ソーシャル(social)は「社交の、社会の」で説明の要もありません。ソーシャルダンスは大方のお馴染みでしよう。しかし、ここでやや注目すべきは、socが「社会の」の意の語源であることです。ソサイエティ(society・社会)、アソシエイト(associate・交際する、仲間、共同経営者)は容易に納得ですね。ハイソサイエティとなれば「上流社会」で、一部にはハイソなどと略して使われています。また、外資系の会社などでは「準」などの意味で、アソシエイト社員も少なくないようです。ウンチクはともかく、英単語は少し重みが足りませんね。
 ディスタンス(distance・距離)にいってみましよう。これは「立っている」の意のstanceを語源とする言葉で、disは「離れて」の意です。「周りの」の意のcircum、「近く」の意のin、「下に」の意のsub、「十分に」の意のconを付けると、それぞれサーカムスタンス(circumstance・環境)、インスタンス(instance・実例)、サブスタンス(substance・物質、本質)となります。
 これらの形容詞のうち、ディスタント(distant・遠い)、インスタント(instant・即座の)はかなり頻度の高い英単語と言えましよう。ちなみに、スタンスはゴルフや野球などでもよく使われています。また、陸上競技やスキーなどでディスタンスレースと言えば距離競争を指しています。
 まあ、かなり重みのある単語が出そろったと言えるでしよう。

●重要単語のまとめ

social(ソーシアル)・・社会の、社交の
society(社会)‥社会
associate(アソシエイト)・・交際する、仲間、共同経営者
distance(ディスタンス)・・距離(離れて立つことが原意)
circumstance(サーカムスタンス)・・環境(周りに立つものが原意)
instance(インスタンス)・・実例(すぐ近くにあるものが原意)
substance(サブスタンス)・・物質、本質(全ての根底となるものが原意)
distant(ディスタント)・・遠い
instant(インスタント)・・即座の